ライブ・コンサートでの車椅子席対応を知っていますか、という話

先日行ったドームライブで、色々と考えること(同時にこれは、当事者でなければ気付けないこと)があったので言語化してみます。

 

なお、これに関してはジャニーズの事務所やタレントさん、対応してくださったスタッフさんなど、誰かを批判するつもりは一切ない。

基本的には、いつも対応してくれてありがとう!と思っています。

 

だけど私たちには、観客として同じ価格のチケットを予約して持ってる以上、ある程度の権利もあるよねと思った。

 

だからこれは気付く人が疑問を投げなければ議論も始まらないと思ったので、言語化を試しています。難しいのはわかっている。

どうかそれを念頭に置いて読んでいただけると嬉しい。

 

 

ライブ・コンサートでの車椅子席対応を知っていますか、という話。

 

前提

私の経験したライブ等の車椅子席申請については、少し以前の記事で書きました。

 

dmbcttn.hatenablog.com

 

特にジャニーズのライブでの話だけど、車椅子席というのは基本的に事前申請制。チケット申し込み時に「車イス席を希望しますか?車イスは何台ですか?」という設問があるので回答することで申請完了です。

 

今はもうデジチケが殆どなので、会場にてチケット発券・座席判明は一般席(記事の都合上こう呼びます)と同じタイミングです。

車イス席申請をしていても、チケットには基本的に一般の座席が、2人申し込みなら横並び2連番で、まず割り振られています。ここ今回の要点ね。

 

 

今回のライブであったこと

今回のライブ、私は同じジャニーズグループのファンである友人に誘っていただいて行きました。

友人は元から私と行きたいと言ってくれてたので、申込時にきちんと車イス席申請を済ませていました。完璧です。

 

会場に入る際、「車イス席申請していて、車イスのまま観たいんですけど…」とスタッフさんに声掛けすると、通常同様QRを表示してデジタルチケットを発券し、発券されたチケットをスタッフさんが確認して、車イス席エリアまでスタッフ用エレベーターを使い、誘導いただいて着席。これはいつも通りの手順。

 

車イス席エリアに行くと、そのエリア(今回はスタンド1階か2階?の最後列。とはいえ一般席の最後列が立ち上がっても見えるように段差を作ってある)には既に5、6組の車椅子・健常者ペアが、車椅子の方が前・健常者の方がその後ろに座っており、意外と車イスの観客多いんだなという感じがしました。そこはまあ流石、ドームクラス。

 

スタッフさんにここで言われたのが「(要約)端から詰めていってください。付き添いの方は車椅子の方の後ろの席でお願いします」の一言。

つまり、健常者・車椅子のペアの場合、連番で取っても健常者が必然的に後列に回ってくださいということ。

 

 

私たちの感じた違和感

この“付き添いの方は車椅子の後ろに座ってね”って、ジャニーズ問わず今まで行ったライブも正直何回か言われていて。

比較的見やすい席だから今まで違和感が少なかったのかもしれないけど、今回に関しては特に『あれ?私ら“友達同士”で連番取ってライブに来てるのに、友人は“付き添いの方”なの?そして車椅子だからって私は前・友人は後ろで、それって同じチケット代で、2枚連番を保証されているはずなのに平等か?』と、色々ぐるぐる考えた。

 

会場や公演によっては車椅子の人数が少なかったりして、結局横並びで大丈夫ですよといわれたりするんだけど、今回はそこの車椅子エリアに入っている人が多くて、確実に横並びはもう無理やん?って雰囲気。

しかもあと2組来るとか言ってる。(仕方ないことではある)

 

周りの同じ車椅子エリアに座る人たちはあまり違和感ないようで。

というか今までの私も、なんだかんだ“いうても対応してもらってるからなあ…”と言われたことに違和感があっても飲み込んできてるのと、最終的に“まあライブ楽しかった!”でうやむやにしてきてたんだと思う。

そういうところ、あるよね。

 

ただ今回に関しては、“私は友人に同行させてもらってる”以上、友人が当然持つ権利(=友人が選ぶ人と、友人がチケットを取った以上観たいように観れる権利)は守られるべきでは?と思ったし、そうしなきゃ私が納得できねーな!という結論に達したので、開演時間も迫る中めちゃくちゃ悩みに悩んで、急遽スタッフさんに交渉してみた。

 

 

交渉時の考え方のポイント

①私たちは“横並びが保証されているはずの2連番”でチケットを持っている

②付添人のチケット価格割引制度など無いので(なくて当然だし、悪用されるので今後も作らなくて良い)、2人とも友人として同じ価格のチケット代を負担している

※車イス申請時に、「付添の方もチケットが必要」という注意書きはあるけど、割引などはないよ👌

 

①、②をふまえて、1人が車椅子で1人が健常者の組み合わせだからって、横並びになれないのは持つチケットに対して平等とは言えないのではない?

 

横並びになった結果、車椅子の人が見づらいとかデメリットがあるなら本末転倒だけど、このドームに関しては車椅子エリア自体が今いる場所以外にもあるように見受けられるので、人数に応じて分散するとかで対応は難しいんだろうか?というような話をしました。

正直ライブ開始してたからどこまで聞こえたかは不明。

 

スタッフさんの回答としては、

「(要約)お持ちのチケットに書いてある位置によって車椅子エリアは割り振るルール。確かに2連番なのに横並びになれないというご意見はわかる。

というもの。

こちらもただの我儘にならないよう、悩みつつ交渉していたので、ご意見はわかります、と寄り添っていただけたのはありがたかった。(しかし現場のスタッフさんにこの対応させるのはしのびないものがある。)

 

しばらく交渉があり、「私たちはチケットの座席を今日この会場で知るシステムなので、今いる位置に拘りません。移動も可能です。車椅子か否かは関係なく2人で並んで、観れるなら大丈夫です。」と伝えた結果、同じ階の反対側の車イスエリアに移動して(エレベーター乗ったりしてめっちゃ遠かった笑)、結果2人横並びで観ることができました。

 

融通利かせてくださって本当にありがたかった。

最初は、底上げがなくて車椅子だと埋もれる場所になっても良いか?と言われてかなり焦ったので……。それじゃ車椅子申請した意味無いしなあ。

 

交渉している間、私はガッツリ後ろ向いてスタッフさんと話してたし、座席移動があったので、ちゃんと開演時間には会場に入ってたもののOPから数曲を観ることができなかった。

もっと早くに動けば最初から観れたのにな、というのはちょっとした後悔と反省。

 

 

今後どうしたらいいのか

この話、ジャニーズに限らず色んな界隈で発生していることなはずなんですよね。

 

当事者が全体に対して少なく、さらに違和感を持つ人が少ないから(なぜかというと、車椅子エリアに行く当事者は一般席に座る経験が少なく、一般席がどういうものか知らない。同行者も“車イス席ってそういうものか〜”と納得しちゃうから)、声が上がらないだけです。

今回友人も私もモヤっとした点が同じだったから、言えた。それだけ。

 

そしてきっと、これって運営側に実際この座席を使う当事者が少ないことも議論が進まない原因による齟齬だと感じた。

 

あのエリアを希望する車椅子のまま観たい人と同行者全員、同じ値段のチケットを連番で持っているはずなので、全員同行者と横並びで観る権利はあると思うんですよね。

 

例えば方法として、車椅子席エリアを希望する人が来たらその場で車椅子席エリアを再抽選して割り振るとか、何か方法はあるんじゃないかな。(何か諸事情あって申請なしで車椅子席希望した人は条件付き、とかできると思うし)

 

 

もっとルール検討が進むと、より良いライブ体験(そして私みたいにモヤつく人も減る)ができるのではないかな、と思いました!

 

なおジャニーズ事務所やライブ関係者・その他様々な関係者でこの話詳しく聞かせてくれと仰る方、もしいたらどうぞツイッター( @dmbcttn )へDMにてご連絡ください。

ちゃんとお話します。

メール問い合わせ口が閉じてて、クローズドに意見として送る方法がなかったので、ブログにした次第です。

 

 

ライブは超楽しかったよ〜!!

交渉も良い経験でした!人生学びがいっぱい!

以上です。